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学習のコツ ~復習について~
投稿者 ブログ・お知らせ, 勉強方法
10月 07

学習のコツ ~復習について~

学習のためのコツとして、最も重要なものの一つに「復習」があります。教えてもらったことをすぐに間違えずに実践できることはめったになく、たいていは反復練習をしながら知識や手順を覚えて少しずつできるようになっていきます。そして、そのやり方によって「復習」の効果は大きく変わります。今回は効果的な「復習」のやり方について解説してまいります。

■どこを復習するのがよいのか

勉強をするとき、全てをやり直すのと、間違えたところだけをやり直すのと、どちらが良いでしょうか。学習効果をはかる実験によると、全てやり直した時と、間違えたところだけやり直した時ではテストの結果はほとんど変わらなかったそうです。そうなると、間違えたところだけをやり直す方が、短い時間で結果を出すことができますね。

ミニテストや定期テストなどでも間違えたところをしっかりと復習することで効果的に学習することができます。しかし、テストの間違えたところをしっかり復習できている子どもはほんの一握りで、多くは効果的でないやり方をしています。

■間違った復習方法

  1. 答えを赤ペンで間違えたところの横に書くだけ
  2. 間違ったところを消し、なかったことにして正しい答えを書く。
  3. 解説を見るだけ
  4. カンで当たったものは見直さない

1については、何の意味もないのに、やった気になるだけなのでやめましょう。2については、どこでどう間違えたかがわからなくなるし、消す時間ももったいないです。3について、解けない問題は解説をしっかり読むことが重要です。ただ、それが自分でできるようになるかどうかは別問題です。自分でできるようにするためには、解説を読んだあとでも良いので独力で解くことができるか、やってみる必要があります。

4について、特に選択肢の問題で起こりうると思います。選択肢の問題は明らかに違う選択を除くと、2択くらいになることが多いです。その2択を間違わないためにも、なぜこっちが正解になるのかを見直すことが大事になります。

2については、小学校低学年の国語で文字の間違いやキレイな形ではなかったときに、赤ペンで先生が直し、生徒は元の字を消してなぞる、というやり方をすることがあり、その影響も大きいのではと思います。文字の正しい形を覚えるという意味では理解はできるのですが、間違いは消さなくてはならない、存在してはならない、というような刷り込みができてしまうのではと危惧します。

■間違いを認めない心理

自分が間違ったことを認めたくない子どもも多くいると思います。間違ったことを隠したり、難しい問題に手をつけたがらなかったり。ただ、実際には間違ったことを受け止めてしっかり学習できることが重要です。これは教科の勉強だけでなく、スポーツなど様々なことで共通しているかと思います。

ではなぜ間違いを認められないのか。一つの原因として、失敗自体を受け入れる心の強さがあります。間違いやできないこと無くしたい気持ちは多くの人が持っていますし、それ自体は重要です。例えば、けん玉が全然できなくて泣いて投げ出す子どもがいます。悔しい気持ちをセーブしながら、どうしたら良いかを考える、そんな心が必要になります。勉強に限らずそういうことができる子どもは、やり方によって勉強が得意になってきます。

もう一つは失敗を許容しない環境の影響が大きいです。先ほどの文字の赤ペンの話とも共通していますが、学校や家庭などでも失敗自体をとがめるようなことが多いと、失敗が恥ずかしいことという意識が強く出てしまいます。難しい問題にチャレンジしたことを周りがしっかりと認めることが、まずベースとして必要なのではと思います。

■どのように復習するのがよいか

これまでの話をまとめると以下のようになります。

  • 間違えた問題やカンで解いた問題を解きなおす
  • 間違えたところは消す必要はなく、間違えたことがわかるようにしておく
  • どこをどのように間違えたのかをわかるようにする(例:また7の段で間違えてる!)

ただ、やはり間違ったところに目を向けるのは、気持ちがしんどくなります。「このように復習しよう」と子どもに伝えても最初は聞いてくれないかもしれません。全問正解したとき以上に、しっかりやり直しができていることをほめることが大事にして行ってもらえればと思います。